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こう暑いと、いっそインドの夏が懐かしい。真夏は4月から5月。一度は経験すべきと思ってエアコンなしで頑張った最初の夏の話。

 

記憶では最高気温はたしか44°くらい。とにかくいろんなことが逆転する。身の回りのもの、椅子や机、布団、床、壁、筆記用具、ありとあらゆるモノが自分より高温になる。水道の蛇口から熱湯が出てインド式トイレで危ない目にあったことも(笑)。人間の体温の方が低いから、わざとギュウギュウ詰めの満員バスを選んで乗る。

 

暑すぎて蚊はいなくなる。スイカが冬の果物と知る。勤勉よりもグータラが美徳となり(学校も夏休み)、外出するのは日没後。夜も家の中は蓄熱してオーブン状態のままなのでとても寝られず外に避難。麻縄で編んだ粗末なベッドの上にひっくり返り、きれいな星空に癒されてやっとグースカ爆睡するも、翌朝燃えさかる日の出に火傷の危険を感じて早々に起床。

 

こんな感じで、大変ながらも未知の体験は面白いことの連続でもあり、今思い出すとなんだか爽快な気分になったりします。

 

夏にはいいこともいっぱいある。アーンドラ地方の名物マンゴーは夏でなければ食べられない。それに日本では絶対に手に入らない熱帯夏野菜料理の数々。塩分もミネラルも豊富な現地食をしていれば熱中症もどこ吹く風。発酵食品は菌活放題でパンパンに膨らみ、水を冷やして甘くする魔法の土壺は夏とともに現れて夏とともに消えてゆく。夏は結婚式の季節でもあり、吉祥で幸せな雰囲気が街にも人々の間にも、そこかしこに漂います。

 

写真は2010年5月、久しぶりにインドの夏をまた経験してもいいかなと思って行ったシュリカーラハスティの道端で、マンゴーがいっぱい。この日も44°くらいあった。でも、さすがに宿はエアコン付きに。時々停電になってたけど。(笑)