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ハイダラーバード・ビリヤーニの四方山話その2

最近、またもや必要に迫られて食べ物のことを調べているのですが、昔から気になっていたハイダラーバード・ビリヤーニの種類について、忘備録を兼ねて書き留めます。(なお「ハイダラーバード・ビリヤーニ」が特定の一種類を指すのか、ハイダラーバードで作られるコメ料理いろいろを含めた総称なのかは判然としません。)

 

Pratibha Karan, A Princely Legacy Hyderabad Cuisine, rept., HarperCollins, New Delhi, 2001 (1st. published 1998) によると、「ハイダラーバードでは、プラオを含めたビリヤーニは約40種類が作られている」のだそう。この本には11種類が出ているのだけれど、それらビリヤーニ&プラオの名前を以下に羅列します。肉はマトンorラムorヤギのこと。日本語は私のコメントです。

①Dumpokht Biryani (A slow fire lamb biryani) 鍋のふたを小麦粉で密閉し弱火で長時間炊く

②Guddu Pulao (Bone marrow pilaf) 骨髄のある骨で作る

③Seviyon ki Biryani (vermicelli pilaf) コメの代わりにバーミセリを使う

④Paya ka Pulao (Pilaf of trotters) すね肉で作る

⑤Katchi Biryani (Meat cooked with raw rice) 生肉と半生コメを合わせて炊く

⑥Doodh ki Biryani (Mutton pilaf in Milk) 肉と骨をミルクで加熱してからコメと炊く

⑦Kheeme ki Kichri (Mince pilaf) ひき肉を使う

⑧Biryani ②でも⑤でもない。アワド式? 一般名詞?

⑨Sufeda Pulao 色のつくスパイスを使わずほぼ真っ白に

⑩Zarda Pulao (Saffron Pilaf) サフランとターメリックで黄色にする

⑪Kheema Bhare Saalim Murgh ka Pulao (Stuffed chicken pilaf) ひき肉を丸鶏のお腹に詰めて調理(コメと別々)

個人的には、いつも料理で参照するのは、ずっと昔に出版された、Bilkees I Latif, The Essential Andhra Cookbook - with Hyderabadi and Telangana specialities, Penguin Books India (P) Ltd., New Delhi, 1999の方。こちらに載っているのは以下の通り。

 

①Haroon’s Biryani (Meat with rice) 肉を別に調理してからコメと層にして炊く

②Hyderabadi Khushka (Plain boiled rice) 塩ゆでしただけのコメ。名前があるんだ。

③Jhinga Nariyal ka Pulao (Coconut and prawn pulao) ココナッツとエビ

④Kachi Biryani (Saffron-flaboured meat cooked with rice) 生肉・半生米で密閉式のいわゆるハイダラーバード・ビリヤーニ

⑤Kodi Pulao (Andhra chicken pulao) いわゆるアーンドラ風ビリヤーニ

⑥Korma Pulao Osmani (Curried mutton pulao) マトンをコルマにして

⑦Kurmu Pulao (Jackfruit pulao) ジャックフルーツで

⑧Murgh ka safed Pulao (White chicken pulao) ようするにチキン・ビリヤーニ

⑨Tahari (A savoury mince pulao) ひき肉で。ゆで卵の追加も可。

⑩Yakhni Pulao (A mutton stock pulao) 肉のダシで作る肉なしご飯

⑪Zafrani Pulao (Saffron rice) 肉なしサフラン・ターメリックライス

 こうやって見てみると、名前があまり被っていないし、中身もいろいろ。自由ですね。今読んでいる資料には牛肉で作るKalyani Biryaniの話も出て来る。内臓を使うのもあると思うけれど、それに名前はないのかも。そんなのも含めたら、40種類どころじゃなさそうです。