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Rise of Sivagami

 映画バーフバリには、映画の前のストーリーを扱ったTVアニメの「バーフバリ 失われた伝説」シリーズがありますが、そのさらに前の話を扱ったのがRise of Sivagami(ネトフリ配信はBaahubali: Before the Biginning)。←スミマセン間違えました。「さらにその前の話」じゃなくて、映画と「失われた伝説」の間ですね。(4/19)

 

 この中にはおどくべき話が次々と出てきます。その一つがアマレンドラの父ヴィクラマデーヴァの話。心が優しすぎて気弱な王子ヴィクラマデーヴァは、シヴァガミを愛していたんです。でもシヴァガミにとってヴィクラマデーヴァは軟弱な坊ちゃん、それも自分の父親の仇の息子でした。

 

 その昔、マヒシュマティ国王ソーマデーヴァは、わけあって重臣だったシヴァガミの父を死刑にします。少女シヴァガミは宮中の孤児院に預けられ、父の無実を信じていつか国王を殺すと心に誓います。彼女は成人すると正体を隠して宮中に潜入しますが、しかしそこでうっかり王子ヴィクラマデーヴァの目に留まってしまいます。あとはムニャムニャ~。結局、求愛をあっさり拒否されたヴィクラマデーヴァは大いに傷つくのでありました。

 

 そんな彼女がいったいどんな経緯でビッジャラデーヴァの嫁になったのかは、残念ながら書かれていません。ただ、願い叶ってまさに国王を殺しかかったその時に、皮肉な運命の巡りあわせで逆に国王の命を救ってしまいます。そしてその時から彼女の国母への道のりが始まる・・・というところで物語は終わります。はぁ、なんとも。

 

 だから、シヴァガミがバーフバリを大事に育て国王にしたのには、ただバーフバリが王として賢く徳があったから、という以上の理由があったのかもしれません。シヴァガミはラージャマウリ親子がまず最初にこしらえたキャラクターで、登場人物の中で一番緻密な設計がされていると思います。本当に良くできた話だなぁ。